難破船の甲板でオレは寝言を言う

一回目の人生は強制終了させました。もう40代後半にも入ろうとしてるのに。

セールス、テレアポ、新規開拓の本質その4

今回で、現在続けている「セールスの本質」のエントリーの最終章にしようと思う。

もちろん、以前触れたように、補足や補強が必要な部分は折を見てTIPSとしてエントリーを書こうと思っているのでその点ご了承願いたい。

 

 

今回はさっそく本題から入る。

 

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トップ営業マンになるには何が必要か。今までのエントリーで3つ挙げた。

 

①「相手(お客さん)の言動や行動の本質を聞き取る、嗅ぎ分ける能力」

②「自分を客観的に見つめ、知ること」

③「一番大事なことを最初に伝える」

 

である。この3つにプラス、最後にもう1つ付け足そうと思う。それが今回のエントリーの主旨になる。それは以下の通りだ。

 

 

④「『空→雨→傘』を回しながらセールストークを何度も組み直せる力」

 

これである。

 

 

 

『空→雨→傘』をご存知だろうか。問題解決のフレームワークとして有名なものである。以下のリンクがわかりやすいので、ご存知でない方は目を通していただければと思う。

 

「空・雨・傘」の思考パターンで問題解決力を高める

 

俗に言う「勘がいい」とは、この空・雨・傘の展開力に優れていることをいいます。また、この3つのうち、どこが抜けても問題解決のプロセスは成立しません。「空」が抜けた場合は事実に基づかない、あてにならない解釈となります。「雨」が抜けると、事実と判断の間のつながりが見えず、周囲に分かりにくい印象を与えるばかりか、解釈の部分の客観性に乏しいので判断が間違ったまま進むリスクもあります。「傘」が抜けると、「で、結局何をすれば」という疑問が残り、具体的な行動につながりません。

 

引用;「空・雨・傘」の思考パターンで問題解決力を高める

出典;PHPオンライン周知 

 

 

一言で言うなら、「事実に基づいた思考展開力」だ。

 

 

実はセールス(営業)・テレアポはある程度ルーティンが組める。要は「型」があるのだ。

 

お客さんとなる人のキャラクターは千差万別だが、商談に対してのレスポンスと意思決定プロセスに関して言えばわりと定型化してることに気づいてる人も多いと思う。

 

ざっくり言うと、断り文句も数パターンだし、承諾パターンも数種類、登場人物(多くが邪魔をする)も多い場面もさほどない(人数パターンは限られる)、場面も何パターンか、ではないだろうか。違うのは、その時のタイミング的なもの、お客さんの置かれてる状況ぐらいではないかと思う。

 

 

逆に言うと、ルーティンが組めるのだから事前準備ができるということ。

 

それが営業・テレアポでいうところの、トークスクリプトである。

 

つまり、ただ単に伝えるべき内容を時系列上に並べたものだけをトークスクリプトと捉えると非常にもったいない。商談そのものであり、クロージングそのものなのだから。

 

 

今回はこのトークスクリプトの作り方のエッセンスについて書く。

 

 

 

 

トークスクリプト作りでまず気をつけるべきポイントは3つある(これは枝の部分と思ってほしい、森の部分はこの後に述べる)。

 

  1. 柔軟性をもっていること
  2. 一切の無駄を削ぐこと
  3. 小学生が読んでも理解できるよう、噛み砕いた表現を用いること

 

この図を覚えてもらっているだろうか?

 

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セールス、テレアポ、新規開拓の本質その1で紹介した、セールストークの概念図である。

 

トークスクリプトは、この図でいうところの「必ず話さなくてはならないこと」にあたる。

 

ただ、電話でのトークでも営業現場でのトークでも、定規で測ったような流れでは進まないのは皆さん経験済みだろう。相手の反応や質問や断りなどパターンはあるとは言え、最適な受け言葉や話のつなぎ方や比重(伝わらなければ何度も繰り返し話すことはよくある)は多少は変わる。また、相手によって刺さる表現、刺さらない表現などもある。

 

つまり、この図で言うところのピンクで囲った「必ず話さなくてはならないこと」の総面積(要素)は変わらないが、形は都度変化すると思っていただきたい。下の図のようなイメージである。

 

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話さなければならないことを柔軟な状態にしておくこと、これが重要である。

 

ただし、同時に一切の無駄を削いでいかなければならない。営業する側からすれば、話す言葉すべてが必要に思えるものだが(そう思えなければ、あなたは売るためのトークがまだ未完成のはず、もう一度本当に必要なものは何かを考え直す機会を持たれた方が良いと思う)、聞く方からすると聞きたい情報はその中の数分の一かもしれないし、その数分の一の詳細を時間をかけて聞きたいのかもしれない。

 

多くの情報をお客さんに提供すること=売れるとは限らない。少ない方が効く場合もあれば(足りない分のトークはお客さんの頭の中の想像力で勝手に埋めてくれたりする)、余計な情報を与えることによって逆にクロージングできなくなることだってある。

 

 

本当に大事な内容は何か。お客さんにとっての価値は何か。

 

営業トークテレアポトークをひたすら書けるだけ書き出して、そこから削っていき、もう削れないというところまで削りまくって、エッセンスの中のエッセンスを突き止めるのだ。最終的には2~3行(数十字)で収まるような分量になるはずだ。昔、国語のテストで出てきた「筆者の一番いいたいこと(=要旨)」である。

 

 

その最終作品が、前回のエントリーで書いた「練りに練ったヘッダー」になる。その一、二文はあなたのUSPになり、お客さんから見てよだれが出そうになるぐらいの魅力的なオファーになっていなければならない。そうなるためには商品自体を色々な角度で見つめ直す必要があるし、場合によっては自分自身で作り上げる必要が生まれる場合もある。

 

 

それを誰にでもわかる言葉で相手に語りかけよう。間違っても小難しい専門用語を使ってはダメだ。なぜなら、小難しい用語を使うことによって相手はその言葉の意味に必要以上に気を取られたり、逆になんやようわからんからええわ、と中身を見ようとしてくれなくなる可能性を生んでしまうからだ。話す相手の理解力には当然ながら差がある。さらに見知らぬ人からの電話だ、聞いててもそもそもがよくわからない状態なのだ。わかりやすい部分だって相手はバイアスがかかって聞いてると思った方がよい。これ以上話をわからなくしてどうする、って話(意外にそういう人は多いから改めて書いている)。

 

専門用語を電話や初対面で使っていいのは、相手の職種に馴染みがあるワードで、かつ相手から使ってきた場合だけだ。

 

 

余談だが、私は意図的に業界用語を使う時がある、それは新規の業界を攻める時だ。トークを練る段階で下調べをする際に、相手の企業のHPを読み込んだ時に発見する、その会社特有のキーワード、それをさりげなくスクリプトに落とし込んだりする。そうすることによって、相手の反応が良くなることがままあるからである。「この人はわかった上で電話をかけてきている」と思わせることができる。

 

 

繰り返す。気をつけるべきポイントは3つ。

  1. 柔軟性をもっていること
  2. 一切の無駄を削ぐこと
  3. 小学生が読んでも理解できるよう、噛み砕いた表現を用いること

 

 

以上3つを気をつけた上で、作り方を書く。

 

手順は以下の通りだ。

 

  • セールストークテレアポトークを一旦全部書き出す、実際の音声を文字起こししてもよい。クロージングまで一字一句書き出してみる
  • 書き出した内容をいくつかのパラグラフ(段落)に分ける。内容毎に分ける感じ。
  • それぞれ分けたパラグラフの主旨(おおまかな要旨、テーマ)を脇に書き、流れを自分自身で把握する。
  • それぞれ分けたパラグラフの内容を吟味する。内容に過不足はないか、読み上げてみてリズミカルかどうか、組み立てに無理がないか、内容自体がわかりやすいか、「伝わる」ように文章ができているか、など。
  • パラグラフの内容を他の表現や例示で言い換えることができるかどうかも脇に書いておく(これは実際のスクリプトに入れなくてもよい)
  • それぞれ分けたパラグラフの順番が入れ替わっても、クロージングまで持っていけるよう柔軟な流れにする。
  • 再度校正する。
  • 実際できたこのスクリプトを使って、お客さんとトークしてみる。
  • ここからはPDCA、毎日毎回改善していく。改善ポイントは書き出す、スクリプトに書き入れるなど。

 

 

ここで当エントリーの主題である、「空→雨→傘」の話になる。

 

冒頭でも申し上げた通り、「空→雨→傘」は「事実に基づいた思考展開力」を指すフレームワークのことである。

 

 

トークスクリプトの作成においては、「空→雨→傘」フレームワークを2つの軸をもって当てはめて考えていく。

 

 

その2つの軸とは、

  • スクリプト単体のベーシックな流れの中での「空→雨→傘」

  • スクリプトに対する商談相手のリアクションを想定しての「空→雨→傘」

 

の2つだ。

 

 

ベーシックな流れで話が進められたと仮定して、まず最初の10秒でヘッダー部分(最初のオファー)を伝え、次の1,2分間のプレゼンが許可され、まずどのパラグラフを話すか、それを聞いてもらえたら次にどのパラグラフを話せば流れ的に相手に響きやすい(同意を得やすい)か、少し話した後に相手の頭に浮かぶであろうことを想像し、こちらが一方的に話し続けているイメージを抱かせないために質問をさせる、もしくは「今こう思われてると思うんですが・・何故かと言うと、、」というような誘導(トークペースの主導権)をさりげなくする、など、こちらが話している内容(事実)をどう自然に展開していくかを考えるのである。つまり、ベーシックな流れ、見本スクリプトでは一方的な絵を描くのだ。

 

もちろん、相手には色んな人がいる。同じように聞いてくれるとは限らないが、何十件何百件とアプローチしていくうちに、おおよそ流れ通りに聞いてくれるタイプの人がそこそこいることに気づくだろう、それがあなたの得意な客層だ。

 

ベーシックな流れの見本スクリプトはその得意な層に向けて話す形で作る。得意な層を想定して、その層の人にとってどのような話し方、内容、流れが自然でかつ魅力的かを論理的に組んでいく、そのためのフレームワークとして「空→雨→傘」を常に頭に置いて考えてみてほしい。

 

 

 

逆に、後者の【スクリプトに対する商談相手のリアクションを想定しての「空→雨→傘」】は、イレギュラーな相手や不得意な層を想定することと言える。あらゆる断り文句や流れをぶった斬ろうとしてくる台詞、邪魔が入る想定(言葉とは限らない)、揚げ足取り、困った質問や答えづらい質問、無反応な相手、など今まで遭遇したことのあるお客さんを思い出して、あの時こうすればよかったかな、というような対策をしていく。また、いい線までいったけど取り切れなかったというようなケースも思い出してほしい。なにが足りなかったのか、足りすぎたのか(意外と足りすぎることは多い、話しすぎることでダメになるケースが多いことを初心者の人には知ってほしい。いずれTIPSとして別のエントリーで書こうと思う)。

 

同時に、なぜそういう相手はそういう反応をするのかを想像してみてほしい。できれば事実ベースで。相手は人間なので、ちょっとした機嫌でリアクションが変わったりもする。ただ、その機嫌の原因がアプローチする時間帯だったり、時期であったりということも可能性としては十分にある。そういう時にこそ、「空→雨→傘」フレームワークを思い浮かべてほしい。断りたいから断るとは限らない、別の理由がある可能性も多いにあるのだ。論理的に考えていくことが活路を見出すきっかけになると私は思う。

 

何度も何度も、色んな想定をしながら絵を描いてほしい。

 

 

 

 

 お気づきだろうか。

 

当エントリーの前半部分にも書いたことだが、やったことある人ならなおさらわかっていただけることだと思うが、テレアポや無差別アプローチの新規開拓営業はルーティンワークだ。

だが、ただのルーティンワークではない。アプローチする動作や作業はルーティンだが、その中身は試行錯誤と改善の繰り返しなのである(真剣に仕事している人であれば、どんな仕事にも言えることだが)。

 

 

その試行錯誤と改善の繰り返しの本質は、コミュニケーションとは何かを考えることであり、今回書いたスクリプト作成で言うなら、実際の商談の想定問答であり、データ収集であり、商品の売り方を考え直す作業なのである。営業そのものであり、終わりのない活動なのである。

 

 

 トップクラスの成績を上げるために、④「『空→雨→傘』を回しながらセールストークを何度も組み直せる力」を身につけてほしい。

 

 

 

 

四回に渡って、セールスの本質について書いてきた。

自分が実際使って成果を出してきたノウハウを隠すことなく書いたつもりである。だが、細部に詰まっている小さいノウハウについては触れていない部分もある(分量的に多すぎるので)。ゆえに、少しわかりにくいところもあったかもしれない。今後たまにTIPSとしてそういう部分はエントリーとして書いていくつもりだ。

 

 

 

 

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

次回からはまた就活についてのレポを書いていこうと思います。

 

 

 

あなたは最初に名乗る理由を考えたことがあるだろうか? -セールス、テレアポ、新規開拓の本質その3-

 

前回のエントリー「セールス、テレアポ、新規開拓の本質その2」では、トップ営業マンになるために必要な要素、特にデリバリー(自分がお客さんへ意思を伝える)の部分、

 

②「自分を客観的に見つめ、知ること」

③「一番大事なことを最初に伝える」

 

の②の部分、「俯瞰」の重要性とそのための具体的なアクション「自分の声・姿を録音録画する」こと、それに基づき自己プロデュースをすることの面白さと、その有効性について書いた。ここまでが前回の要約である。

 

 

さて、今回もデリバリー「伝える」の部分、その基本的な考え方と方法論について書く。ちなみに、以下に書くこと(以前もそうだが)はすべて「こうした方がいい」という理想論ではなく、私自身が実践してきた実践論であることを理解していただきたく思う。なぜなら若干ではあるが、ビジネスの常識から外れる部分があるからである。

 

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一刻も早く本題から読みたい!という方はこのリンクをクリック(当エントリーの本題にジャンプします)。

 

 

まず、想像してほしい。

 

ダイレクトセールス、テレアポでも直接訪問販売でも法人の新規開拓セールスでもいい、お客さんとなるであろう人、担当者、決裁者がどういう状態でいるのか。

 

 

はっきり言うと、あなたは「招かざる客」である。

 

 

アポは取っていない(今取ろうとしているアクションはアポを取るための行動である)、何者かわからない、どこの馬の骨かわからない人間が不躾にアプローチを図り、担当者の予定外の時間を奪う行為を、しようとしているのである。これからのあなたは。

 

お客さんとなる人、担当者の中にはヒマな人もいるだろうが、大抵の人は忙しい。少なくとも見知らぬあなたの話を聞きたがるほど時間があり余っている人はほぼ皆無だろう。

 

しかもだ。あなたのような輩は一日に何人も訪れる、アプローチを図ってくるのだ。電話、訪問合わせると10件以上という担当者も会社だと全然珍しくない。以前よりは減ったものの一般家庭でも携帯に見知らぬ番号から電話がかかってくる時はままある(最近は投資用マンション営業が多いだろうか)。

 

そういうアプローチを受けている人はどんな心境だろうか?

 

「あぁ・・・またか。。」

 

そう思っても不思議はないだろう。ウザイ、目障りだ、オレの時間を邪魔するな、こっちは忙しいんだ。

 

↑ ↑ ↑

こういう人に対してのアプローチ方法の話である。

これはダイレクトセールスの基本命題と言ってもよいだろう。100人の新人営業マンがいたら、98人が心折れてセールスマンを辞める理由である。

 

大抵の営業会社の先輩セールスマン達は言う。

 

「よくあることだよ、すぐ慣れるから。」

「断られてからが本番だから。」

「とりあえず当たって砕けろ。話はそこからだから。」

 

ちょっと気の利いた先輩だったら、こう言うだろう。

「断られてもさ、それは君のことが嫌いだからじゃないんだよ、商品が必要ないからだよ。仕事だから気にする必要ないよ。」

 

これらの言葉は間違いではない。すぐに断られることには慣れる(なにも感じなくなると言った方が正しい)し、断られてからが本番だし、まずはアプローチしないと売れない。興味持てそうな商品だったら無下に断らないかもしれない。

 

ただ、これら精神論(あえて精神論と言わせてもらう)だけで攻めていくだけだと、成約の確率はしっかり考えてアプローチした場合(私が後に述べる方法論を使った場合)と比べて、ざっと4分の1ぐらいに落ちるだろう。しかも残り4分の3の中に買ってくれる人、話を聞いてくれる人が絶対にまぎれている、つまり取り逃しをするだろう。

 

 

私は実はその昔、今回のエントリーで話す方法論を使わず、フラットな精神状態で基本トークだけで何軒アプローチすれば(つまり普通の営業マンと同じ状態ですね)どれぐらいの確率で話を聞いてくれる人に当たるか、試したことがある。結果は以下の通りだ。

 

話を素直に聞いてくれる人(聞いてくれるだけの人)は、40人に1人

クロージングまでできるかどうかという人(買ってくれるかどうか迷う人)は、80人に1人

 

従来のダイレクトセールスは、これら話を聞いてくれる人、買ってくれる人を探す行為と定義できる。数打てば当たる、そういう人をひたすらサーチする。

 

この定義は今でも間違ってるとは言わない。実際の本質はそこだと私も思う。

 

だが、一つ言いたいのは、その確率は今から書く方法論を実践すれば段違いに上がる。成約のチャンスは倍増する、と。

 

 

前置きが長くまどろっこしくなってしまった。それぐらい皆ここで躓くのだ。

 

 

さっそく本題に入ろう。

 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

 

あなたがアプローチしようとするその瞬間、先方(お客さんとなる人、担当者、決裁者)はあなたから電話がかかってくること、訪れることを全く知らない状態だ。しかも、大抵は何かしら忙しい。

 

そんな時に現れるお客さんでない「招かざる客」、それがあなただ。しかも、なにかしら売り込んでこようとしてるように思える、こちらが話を聞きたいと言って呼んだわけではないのに。

 

 

そんな状態の先方に、何を話すのか、どうやって話を切り出せば良いのか。

 

そのエッセンスが、③「一番大事なことを最初に伝える」である。

 

 

これも一般的に良く言われることだ。何を言い古されたことを・・・とお思いの方もいるだろう。それを意識して頑張ってる人もいるかもしれない。

だがそれでもきっと、一番大事なことを最初に伝えてないはずだ。

 

見てみよう、以下が一般的なトークスクリプト(台本)だ。

 

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トークスクリプトサンプル 新規獲得編|テレアポ代行・テレマーケティング業務及びコールセンター業務



 出典;

トークスクリプトサンプル 新規獲得編|業界最安値のテレアポ代行、テレマーケティングサービス<コーキ株式会社>

 

このスクリプトテレアポ代行会社のもの(google1位でヒットした)、要はプロのトークスクリプトである。

 

はっきり言うと、この通りに電話をかけると100件かけてせいぜいアポが取れるのが1.2件、それも担当者の暇つぶしで呼ばれるぐらいだと思う(実際、決裁者ではない担当者アポの場合、仕事をサボりたくて営業マンを呼ぶケースは少なからずある。当然成約どころか商談にさえならない)。

 

世の中のテレアポセールストークを解説する書籍やサイトの大半がこれなのである。

 

 

Amazonテレアポで検索するとよく出てくる、「テレアポ魔法の絶対法則」を謳う吉野真由美さんという有名なおばちゃん社長のトークスクリプトも、多少工夫はあるものの大差ない。最初の挨拶の社名の前に「◯◯で業界ナンバー1の△△株式会社の私、××と申します!(高く力強い声色で)」をつけるぐらいのもの(余談だが、私がこういう名乗りの電話を受ける立場なら、「あ、テレアポやん」と思ってすぐ切る。吉野さんは実際売ることに長けてる人だとは思うが、それは押しが強いからだと思う。魔法でもなんでもない)。

 

 

こんな感じらしい。 (話者はモデル、開始地点の3:00のところだけ見ればよいです)

 

 

ここであなたにも問いたい。

 

「なぜ、自己紹介・挨拶から入るのだろうか?」

 

と。

 

 

ビジネス慣習、人間関係の常識、そんなところだろうか。いきなり電話がかかってきても誰?と自分自身思うからだろうか。

 

それは人として間違ってるとは私も思わない。

 

ただ、実際圧倒的な結果を出すためには、

 

③「一番大事なことを最初に伝える」

 

から入らなければならない。自己紹介・挨拶が一番大事だろうか。あくまで挨拶は潤滑油にすぎないだろう。伝えるべき用件は何だ?

 

 

それは・・・

「(こちらが提供できる)相手が受ける便益」であり、

「要点中の要点(もちかけたい商談内容のダイジェスト)」だ。

 

ここを突破しなければ、その先はないのだ。これ以外をいくら話しても「ごちゃごちゃうるさい奴だ」と思われて ( ^o^)Г☎チンッ なのである。

 

 

 

私が今回伝えるメソッドは以下の通りである。気になってる方はよく読んでいただきたい。(今回はテレアポを例に解説する)

 

 

セールスは最初の10秒で決まる。もっと正確に言うと5秒だ。

 

 

 

勝負は最初の5秒。そして10秒。

この5秒もしくは10秒に持ってる力の8割をそそぐのだ。

挨拶や自己紹介などは、相手が興味をもってくれてからで十分間に合う。

 

 

これから細かく解説する。

 

最初の5秒でやらなくてはならないこと、それはチューニングである。

 

相手の待つ準備がない状態、こういう電話でのファーストコンタクトの場面での相手の状態は「直前の行動の余韻を引っ張ってる状態」かせいぜい「無の状態」である。なので、いきなり知らない人からの電話の内容のほとんどは耳に入っていないと思った方が良い。はい、はい、と相手は声を出していても、全く聞こえてないケースも多々ある。

 

なので私は、冒頭伝えたい用件の頭に一言だけ潤滑油的な枕詞を入れる。

 

「恐れ入ります」

 

だ(それでちょっと間が悪ければ、「◯◯株式会社の△△と申しまして・・」ぐらいは入れても良い、1秒で話せる量だ)。これを少し本題より小さめの落ち着いた声で相手の耳の注意を引くと同時に、こちらのテンションに引っ張り合わせるようなイメージで(テレアポトーク全般に言えることだが、綱引きでジリジリ引っ張るような感じで進めるのだ。相手のテンションとの接点を掴んだままこちらのペースで話を進めるイメージである)。引っ張るのはあなたである。

 

これはテレアポではない、本番の商談なんだ、というマインドセットで私は毎回第一声を挑んでいた。

 

そして、早速「要点中の要点(もちかけたい商談内容のダイジェスト)」に繋いでいく。要点中の要点(当トークでいうところのヘッダーである)は言葉はっきりゆっくりとわかりやすく発音し、相手に落とし込むようなイメージで伝える。

 

例;「恐れ入ります、、、(0コンマ何秒の間をつくる)御社の◯◯のサービス内容である△△を弊社の提供している●●を使って・・・」

 

第一声の「恐れ入ります」からヘッダーの全文までで5秒から10秒である。

 

 

ここで2つ大事なことを書く。

 

まず一つ目は、前回のエントリーでやったことがここで活きる、ここで生かすということ。

 

自分のどれぐらいの声色や音量やスピードが相手に響きやすいか、何度もトライ・アンド・エラーを繰り返してほしい。相手の息づかいを通して「聞こえてるかどうか」を測るのだ(ちなみに熟練してくると、この最初の5秒の息遣いでアポが成立するかどうかたびたびわかるようになってくる)。

 

相手を落ち着かせ、「ん?なんだこの電話は?」と耳をダンボにさせ、「もうちょっと聞いてみようかな」まで興味を引きつけること。それを可能にするのは、この「最高の(と思われる)自分のプレゼンの声色・ペース」と、

 

大事なこと二つ目である、「練りに練ったヘッダー」である。

 

要点中の要点=ヘッダーは魅力的に思われるようなオファー(提案)になっていないといけない。それを10秒以内にまとめるのだ。かつ、わかりやすくなくてはならない。専門用語や業界用語はもってのほか、漢字や熟語もほとんど不要なぐらいに、小学生が聞いてもわかるぐらいに。

 

もちろん、あなたの商談内容、商材の内容を10秒で小学生にもわかるように説明し切るのは無理だろう。だが、あえてそれにチャレンジするのだ。

 

これを可能にするにはトークスクリプトを一旦全部書き出すところから始める。そして削りに削って一文のオファーとしてまとめるのだ。少し根気と集中力が要る(スクリプトの具体的な作り方と活用の仕方は次回のエントリーで書こうと思う)作業であるが絶対に必要な作業である。

 

 

要は「なにをどう伝えるか」を最高に研ぎ澄ませた形で作り上げ、それを最初の10秒間で相手に伝えるのだ。相手は興味をもったら自然と名前を訊いてくるだろう、名乗るのはその時で十分間に合う。

 

 

 

この10秒間の課題の到達点は、「詳しい説明をさせていただく1分間」を相手からもらうこと。10秒間で「ん?なんだこの話は・・・もうちょっと聞いてみたいな」と思わせることに成功したら(内容は理解されていなくても。ちなみにほとんどのケース、この時点では内容は3割も理解されていないものだ)、次の1分間のチャンスはもらえる。

 

 

 

実は、これら最高の10秒のオファーを提供していなくても1分間話すぐらいのチャンスはたいていもらえる。ただ、オファーに魅力ない状態で聞かせる1分間は密度の薄い1分間で、相手からすればただの「聞いてやってる」1分間である。これでたとえ話が進んでアポが取れたとしても、その主導権は(意識の上では)相手にある。

 

 セールス全般に言えること、ダイレクトセールスだとなおさらだが、主導権が相手にある間はまず成約しない。お願いアポ、お願いセールスでは決して売れない。「お願い」という言葉を出さなくても、そういう気持ちがなくても、結果的に主導権が相手にある間は「お願い」と同じ、力関係は相手の方が強いわけで注文キャンセルになったりクレームが絶えなかったり、非常にコスパの悪い取引になる。

 

また、これは人によってやり始めてからぶち当たる壁だが、「何10件、100件200件かけてるけどなかなか反応が取れない、アポにならない、アポは取れるがその後のクロージングで成約しない。どうすればよいのか」という悩みも、根っこは同じだ。

 

要は相手から「大事な商談と思われなかったから」である。これも主導権の所在の話である。情報だけ抜き取られる、いわゆる「情報収集アポ」(相手から見た情報収集)という扱いを受けてしまう。相手から質問を受けるだけ受けてこちらが丁寧に答えたところで、主導権・決定権が相手にあるから成約しないのである。

 

さらに言えば、事の重要性が伝わらなければ聞いてくれる人の割合が減るわけで、テレアポだったらただ惰性で電話をかけているだけのテリ潰し(テリトリー潰しのこと。商談できるかもしれなかった人の可能性も無駄に摘んでしまうこと)になるし、アポが取れてもクロージングの場面で主導権が相手にあることが判明したら、営業マンの無駄足になるだろう。

 

解決策は2つだ。その2つこそ、今回のエントリーで書いたことである。

 

つまり、

 

  • テレアポではない、これは大事な商談なんだ)という初動のマインドセットとそれを効果的に伝える話法を以って、重要な話であるという雰囲気を相手に伝えきること。
  • もう一つは、トークスクリプトのオファーの力を上げること。

 

ちなみに、どちらが大事かというと前者、マインドセットと話法だ。

 

大抵うまくいかない時は内容(つまりこの場合で言うとトークスクリプト)が良くないのだと思いこむ人は多いが、実際人間というものは話してる内容よりも、話し方とか雰囲気を重視していることを忘れてはならない。メラビアンの法則である。

 

 

 

 

 

 

いかがだっただろうか。

 

 

もちろん、全力でこれらを実行するのは疲れる(ラクな方法とは今まで一言も言っていない)し、百発百中のテクニックではない。ターゲット無差別のセールス(リストを割り振られるようなやり方や、飛び込み型の営業)であれば、断られることの方が多い(ターゲットを絞り込む形のマーケティング型のインサイドセールスならば断られる数はかなり少なくなると思う)。

 

ただ、必ず努力が報われるはずだ、少なくとも他人の数倍(おおよそ4倍、10件に1件ぐらいのアポ率)は効率良く、数多く内容も良いアポが取れるし、どこに行ってもおそらくトップかトップクラスになれると思う。

 

 

 

 

次回はトークスクリプトの作り方のエッセンスについて書こうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セールス、テレアポ、新規開拓の本質その2

前回のエントリー「セールス、テレアポ、新規開拓の本質その1」では、ダイレクトセールス(新規開拓営業、販売)において、

 

  1. 口の上手さは売るにあたって一番の要素にはならないということ
  2. 相手(お客さん)の言動行動を観察した上でトークを変化させ、組み合わせること(「万人に通用する必殺トークというものは存在しない」)
  3. その前提で「何を話すべき」か「何を話さないべき」かについて(必要最小限のことだけを話す、概念図あり)

 

以上について簡単に触れた。以上は復習である。

 

ちなみに、「簡単に触れた」と書いたが、実は各それぞれについて正しく理解するために深く掘った方がいい部分がある(例えばお客さんの言動行動をどう観察するのか、観察力をどう鍛えるのか、話すべき項目と話すべきでない項目の切り分けの理由など)のだがそれは後々、TIPSとして別エントリーで書こうと思う。まずは木よりも森だ。全体像やイメージを示そうと思う。

 

 

 

さて今回は、売るにあたって必要な情報を「いかに伝えるか」に触れようと思う。

 

 

前回のエントリーで書いたトップ営業マンになるには何が必要か、「①「相手(お客さん)の言動や行動の本質を聞き取る、嗅ぎ分ける能力」」に続くもの、それは・・・

 

 

②「自分を客観的に見つめ、知ること」

③「一番大事なことを最初に伝える」

 

売るにあたって必要な情報をいかに伝えるかという部分で一番大事なことはこの2つである。今回は②について書こうと思う。

 

 

 

「自分を知る」こう書くと、ごく平凡でありきたりのことのように思えるが、実際自分が相手にどう映っているのかを熟知している人は少ないと思う。

 

例えばたまたま現場において他の営業マンをみかけた時、あなたは何を思うだろうか?

 

「あぁ、、うさんくさい雰囲気の人だなぁ」

「焦ってトークしてるな、お客さんの気が逸れてるのわからないのかな」

「なんだか盛り上がってる感じだな、売れそうだな」

 

 

私生活でもあてはまることだが、他人のことはよく見える。だが、自分のこととなると途端に見えにくくなる。理由は簡単、そこに「主観」が入るからだ。プラス「バイアス」(バイアスについてはググッてほしい、自己の経験や世間常識に基づく偏見と考えるとわかりやすいかもしれない)も混じってくる。うまく事が進まないとそれらがさらに揺れる。自分を見失って当然なのだ。

 

営業は相手あって初めて成立する。そこには「俯瞰」が必要なのである。

 

 

もちろん、主観と俯瞰を同時に発揮させるのは難しい、不可能ではないがそれはいわゆる「ゾーン」に入った時だけだと思う。いつもいつも「ゾーン」に入れるわけではない、むしろそういうタイミングはレアだ。

 

 

ではどうするか。

 

 

 

実際お客さんと話してる時の声と相手の声を録音すること、営業であればそれにプラス会社の人に協力してもらって自分の営業活動してる時の姿を録画することだ。

 

 

 

テレアポであれば、携帯を使えば(最近は携帯経由で架電する会社も多い)アプリが使える。「電話 通話録音 アプリ」で検索するといくつか出てくる。録画もスマホでできるだろう。(お客さんに見つからないように)少し離れたところで撮ってもらうか、それが難しければ現場ではスマホの録音機能で録音だけ、姿はロープレで撮ってもらおう。

録画・録音は自分一人で確認するだけであれば問題ない(公開しない、されないよう気をつけよう)。

 

 

 

完全に客体として自分を捉えるのだ。きっとそこには自分が想像もしてなかった様子や姿を確認できるだろう。自分で自分のことをよくわかってるというのはおおよそ思い込みだということにすぐに気づくと思う。

 

良くない点、直した方が良いところだけでなく、自分の声色や姿を見て、自分に向いてる話法やストーリー展開を考える材料にもなる。うまくいった時、うまくいかなかった時の違いや、実戦での切り返しや対処法を再検討する材料にもなる。

 

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営業行為というのは言い換えれば、セルフプロデュースに他ならない。自分が相手からどう見えていて、どう売り込んだら「おっ、こいつやるな」話を聞く価値があるなと思わせられるか、その方法を自分で考えるのだ。

 

自分の声色だとどういう話し方、切り出し方をすれば効果的か。自分の容姿はどういう人に好意的に見られそうか。どういう振る舞いをすれば気をひけるか。

 

どうだろう、そういう作戦を一人黙々と考えるのは楽しくないだろうか。自分で自分を売れる営業マンにする、育てるのだ。

 

これらは自分を客観的に見てない状態で考えても意味がない。自分の思う自分と、他人から見た自分はかなり乖離がある。これは大抵の人に当てはまる話だ。その乖離を自覚しよう。

 

 

ちなみに、他人からのアドバイスもいいが、他の営業マンからのアドバイスは大体役には立たない。その人達は売れてないんだから。売れてない人からのアドバイスが役に立つわけがない(だいたい彼らのアドバイストークの内容に終始するだろう。ほとんど意味がないのにね)。聞く価値があるのは、自分より売れている人達からのアドバイスだけだ。きっと本気ではアドバイスしてくれないだろうけど(利害が関わっていれば別。自分が売れることによってその人が評価されるような場合。)。

 

 

あと副次的な使い方だが、その音源を調子の悪い時に確認するのも良い。何が今と違うかの確認ももちろんそうだが、断られ続けてモチベーションが落ちてる時に、成功した時の音源を聴くと単純に少し自信を取り戻すこともできる。モチベ維持もできるのだ。

 

 

是非やってみてほしい。というより、必ずやらなくてはいけないと思う。成長のスピードが段違いに早くなることを実感できるだろう。

 

 

 

さて、前エントリーで何を話すべきか話さないべきかをざっくりと知り、今エントリーで自分の姿を確認した。

 

 

次回のエントリーでは、相手にどう伝えるかをもっと掘ってみる。③「一番大事なことを最初に伝える」である。次回は今まで以上に、成果に直結する・具体的なことだけを書こうと思う。

 

 

 

 

 

 

セールス、テレアポ、新規開拓の本質その1

今回は今までと違って、日記・体験談風のエントリーではなく、ノウハウ的なものを書いてみようと思う。

 

 

 

私の職務経歴書の中で唯一のキャリアと呼べるものは営業の職歴だけだ。

 

営業といっても色々ある。個人客向け、法人向け、新規開拓、ルートセールス、提案営業、コンサルティング営業、などなど。

 

会社のエンジンの役割を果たす人。売上を上げる人。会社の対外的な折衝役、顔役とも言える。

 

非常に範囲は広いが、私のやってきたことは一つ。個人客向け新規開拓営業である。

その中でもダイレクトセールス、いわゆる訪問販売と、無差別テレアポだ。

 

一般的に職種の中で最も志望者に(お客さんにも、かも笑)嫌がられる営業スタイルである。このもっともキツイと言われる即決型セールスを数年やった。そしていくつかの会社で新人賞なり、トップ賞なり、会社の記録を作った。ただ、私は営業マンとしては一流ではないと思っている。理由はさておき(後述する)、どうだろう、営業なんかできないと思ってる人でも8割ぐらいは方法論とマインドセットさえつかめば、いい線まではイケると思う。そのうちの3割ぐらいはトップクラスになれるだろう。そしてそのノウハウはさほど難易度が高いものではない。

 

やりたがる人は非常に少なく、かつそのスキルを身につけてる人は少ないから、割と簡単にトップクラスになれる。そのスキルのエッセンスを書こうと思う。

 

 

そのスキルを身につけて得られるのは金だ。はっきり言うと、このダイレクトセールスにはキャリアの積み重ねは要らない。売れれば稼げる。売った奴だけが稼げる職種、それがダイレクトセールスであり、そこが唯一の魅力だと思う。たいていの会社の新規開拓営業、特に開拓が難しそうな(売りにくそうな)商材を売って売上を作る会社の歩合設定は高い(固定給が少なければ少ないほど歩合率が高い会社がほとんどだ)。金を短期間で稼ぎたい人に読んでほしい。

 

また、ダイレクトセールスやテレアポじゃない営業をやってる人にとっても、営業の本質やクロージングについてヒントになることが書けるかもしれない。しばらく付き合っていただければと思う。

 

 

 あと言い忘れたがもう一つ、ダイレクトセールスを職業とした時のメリットを伝えておく。関係性を作っていく営業や法人向け営業と違い、即決型のダイレクトセールス(訪販)は覚えるべきことが少なくて済む、これである。

 

もちろん商品知識は大事だが、変な話、商品知識が多少足りない状態でも売上は作れる、売ることは可能だ。商品知識をすべて覚えたとしてもたいして時間がかからない、要は差別化されてないような商品を売ることがほとんどである。例えば、今だと電話回線、ネット回線、投資用マンション、新聞の拡張員、住宅設備関連(リフォームなど)など、本当の意味のオリジナリティに富んだ商材はほとんどない。もしオリジナリティに溢れ、売りやすい商品だったら、わざわざガチ即決型の営業マンは不要なはずだ。売りにくいからこそ営業マンが必要なのである。

 

 

 

 

ちなみにあなたは、凄腕営業マン、トップセールスマンと聞いてどんな人を想像するだろうか?

 

経験のない人、浅い人はすごく口がうまくてバリバリ働く営業マンを想像するかもしれない。

 

実際は全く違う。そういう典型的なイメージの営業マンはトップクラスにはあまりいない。そういうタイプが皆無なわけではないが、むしろ朴訥とした方が売れたりする。えっこの人がトップセールス?みたいなケースもかなり多い。どこの職場、どの商材でも。

 

これは何を意味しているか?

 

口の上手さは売るにあたって一番の要素にはならないということだ。マイナスに働くことさえあるぐらいだ。

 

 

では何が必要なのか。

 

 

実はいくつかあるのだが、こと属人的な要素(性質や能力)で言えば、

 

①「相手(お客さん)の言動や行動の本質を聞き取る、嗅ぎ分ける能力」

に尽きる。

 

 

 

 

売れない営業マンの行動でよくある失敗行動として、「買う見込みのない人に延々トークをしてしまう、粘ってしまう」というのがある。

 

はっきり言って、見込みのない人に粘っても買ってくれることはほぼない。通ってもそれは変わらない。何十回通ってようやく一回お情けで買ってくれるぐらいか。そもそもそれだけ労力をかけて売ることができても、その時点で主導権は営業マンにはない。お客さんが持ってるということになる。そうなればリピートセールスまでほぼ遠いことになる。それはイコール、売上が伸びないということである。

 

 

どの会社でもいきなりトップ営業マンになると、周りの営業マン達から必ずお客さんに「何を話しているのか」という質問を受ける。

 

でも実際はお客さんに何を話すかというのは、それぞれのお客さんによって変わる。これは自分が主導して変えているというよりは、相手の反応を見て変えている、どちらかといえば受動的なものである。

 

実戦的な言い換えをすれば、「万人に通用する必殺トークというものは存在しない」のである。

 

 

次のセールストークの概念図、図1を見てほしい。売るためのトークを概念図化してみた。

 

 

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 解説すると・・・

 

  • 必ず話さなくてはならないこと(ピンクのラインマーカー内)

 具体的には、お客さんが商品を買うと受けられる便益、お客さんの知りたいこと、買うに当たっての不安を解消する材料、契約・保障内容、クーリングオフの有無・やり方

 

  • 話しても話さなくてもどちらでも良いこと(黄色のラインマーカー内)   

 具体的には、商品自体の強みや魅力やUSPやデータ的なもの、商品の活用法、商品の構成要素や成り立ち、営業マン(自分自身)の人となりや経歴など 

 

  • 話してはいけないこと、ムダなトーク

 上記2つの要素以外のすべて。場合によっては黄色ラインマーカー内のトークも含まれる。

 

 

売るためのトークで必要十分なものは、黄色のラインマーカー内だけだ。それ以外はすべてムダなトークにあたる。天気の話など世間話トーク、業界・同業他社の情報、会社の紹介・情報、商品や会社についてのネガティブな情報、これらは全く要らない。

 

 

なかなか売上が上がらない営業マンは、おおよそ話さなくていいこと、いやむしろ話してはいけないことを多く話してるように見受けられる。

 

 

経験者は思い出してほしいところなのだが、売れた時って必要最小限のトークしかしていなかったのではないだろうか。お客さんにうまく引き出されて、必要最小限のトークが魅力的に展開されるように場が盛り上がった覚えはないだろうか。売れる場面とはそういうこと。売上を上げてトップになる人間は、お客さんからのサポートなしに自力でそれらを展開していける人間のことなのである。

 

 

イメージはつかめただろうか。

 

 

まだまだ話は続くのだが少し長くなってしまって読みにくくなってしまうと思うので、回を分けようと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【後編】元アウトサイダー40代が挑む、最初の派遣登録会

正月明け早々のちょうど真昼、私は都心ど真ん中にある派遣会社(ア◯◯ス株式会社)の受付の待合スペースにいた。

 

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大きくはないけれども、小綺麗でクッションの効いたカーペットにパーティション、イマドキの会社にありがちな仰々しい感じの社名プレート。

 

 

 

 

「儲かってるんだろうなぁ・・・」

 

そんなことを思いながら呼ばれるのを待つ。私が待ってる間に2人ほど私と同じ志望者なんだろう、受付にある電話で名乗り私の近くに座っていった。

 

5分ほど待つと、係の女性が現れ我々3人はとある部屋に案内してくれた。広めの会議室っぽいところ。そこに説明会であるような長机と椅子が綺麗に並べられて、順番に座るように指示される。ここの登録は説明会形式なんだな。

 

かったるいが簡単な映像とほどよくまとめられた資料で手短に説明があり、割と要領よく会が進んでいった。

 

 

 

その会社が持ってる案件が多い業界、就業にあたっての注意点、給料日のこと等必要最低限の説明と、面談資料(職歴や保有スキル、資格など)の記入、そして最後にタイピングスキルチェック。

 

このタイピングテストは、内容の多少の違いはあれどその後訪問した派遣会社のほとんどで実施されていた。私はタイピングは早い方なので(ブラインドタッチ)、問題なし。

 

タイピングテストが終わった者から個別面談。私は一番に個別スペースに赴いた。

 

 

 

「さあ、ゲームの始まりだ」

(この台詞は昔話題になった有名なナンパ本「ザ・ゲーム」の決まり文句である笑)

 

 

私の待つスペースに一人の男が入ってきた。志望した会社を担当する営業の人間らしい。年の頃、20代後半ってとこだろうか。学生の頃は人並みに遊んでたけど今は真面目に会社員やってます的な、イマドキ風の好青年といった印象。私よりだいぶ年下であるが特にそれは気にはならない。

 

お互い丁重に挨拶を交わし、早速面談に入る。私は持参しておいた職務経歴書(この会社は持参必須ではなかった)を出し、相手の反応を待つ。

 

経歴書をざっと読むなり、「あぁ・・・私なんかがコメントするのも申し訳ないぐらいご立派な成績を色々残されてますね・・・」と言われるが、これはお世辞だろう。いえいえ・・・と伏目がちに丁重に返答。相手が経歴書に見入ってる間におもむろに私が口を開いた。

 

 

「最後の職歴にある、テレアポの成績の証明、エビデンスありますがご覧になりますか?その時の給与明細の原本、お持ちしてるんですが。」

 

 

「えっ!?」虚をつかれた感じで相手が顔を上げたところで、私はカバンからこれを取り出した。

 

 

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リアルの給与明細である。時給と歩合給と所得税をみればわかるだろう。

 

「え・・・・・・なんですか、これは。。。す、すごいですね・・・」

 

相手は完全に先制パンチを喰らったような表情でそう言った。

 

もちろんこれは、戦力として有用そうに魅せられるかどうかだけを図っての行動であった。相手の表情から察するに、どうやら成功したようだ。

 

 

 

 

 

「わかりました。さっそくいくつか他にも仕事を見繕ってきます、しばしお待ちいただけますか?」

 

相手は数分席を離れ、ある程度用意してたであろう案件を他に2つ持ってきたのだった。

 

 

 

ただ・・・

 

 

そのどれもが希望条件には満たず、かつ今回やりたいと思っていない、ゴリゴリの営業の仕事の案件だ。

 

 

 

 

今回の就活、何をやりたいのかは決まらずにいたのだが、やりたくないことはおおよそ決まっていた。

 

 

それは営業。

 

もう十分やってきたんだ。お腹いっぱいなのである。期間でみれば大したことはないが、その間に個人向け営業は嫌になるほど頑張ったつもりなのだ(だから先の給与明細の額が稼げたんだと思う)。お金のことだけを考えたら、どう考えても営業をするべきなんだろうが、今回は就活の意図が違うのである。

 

ちなみに営業のコツ、というより本質的な部分は後のエントリーで書こうと思う。BtoB(対会社)の営業に関しては私が語れることはないが(未経験)、BtoC(対消費者、個人)についてはそれなりに書けると思う。

 

 

 

それはさておき。

 

そうだよな。この経歴書にエビデンスまで持参したら、そりゃ営業の仕事勧めるよな。当然の流れだし、今回の就活でよくわかったことなのだが、中年の派遣市場では「何を武器にして労働力を提供してくれるのか」しか見られていないのである。

そんな当たり前のことをよくわかっていなかったなんて。ここらへんが元アウトサイダー、世間のことをよくわかってなかった。まずはアピールすることだけを考えて、つまり木を見て森を見ていなかった。我ながらバカであるw

 

 

そもそも、40代の人間が就職・転職活動をするにあたって、一つ強く心に留めておかなければならないことがある。

 

それは、

 

「40代の中でも公募で求職する人間は圧倒的な弱者である」

 

という事実だ。

 

 

通常40代といったら、一番の働き盛りであり、ちゃんと働いてきた人であればそれまでのキャリアで十分、紹介で転職が決まるはずなのだ。その伝手がないということは、それまでの戦力と見做されてもそれは仕方がない、なんらかの「訳あり物件」なんだよね(私も例に漏れず)。

 

 

それを忘れて活動してたらいくら頑張っても納得のいく転職先は決まらないと思う。

 

 

ただ、それは単純に妥協しろという話ではなく、その事実を認め市場ではそう見られてるということを前提に考えて動かなければいけないという話。

 

 私はそれを強くこの登録会の帰り道で思った。

 

 

あー、まだまだこれからだな。

気を引き締め次の対策に入らなくては。

都心のビル群の中で私はそう呟いた。

 

 

 ちなみに結果だが、この面談の終了時、担当者には「遅くても金曜日までには連絡しますから。」と言われたが、連絡が来ることはなかった。連絡するまでもないってことか、、こちらとしたら口にするんだったら最低限それぐらいは守れよ、とは思ったけどねw

 

惨敗で終了。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【前編】元アウトサイダー40代が挑む、最初の派遣登録会

今年、2018年の年始のツイッターでこんなことを呟いていた。

 

 

 

 

エン派遣で見つけた時給1800円~の未経験可の社内ユーザーからの電話でのIT関連についての問い合わせ対応の仕事(社内ヘルプデスク)。経験はないが、IT知識は興味が持てる内容だし、わかりにくいことをわかりやすく説明するのが得意な私にとっては、ヘルプデスクは合ってるのでは、と考えたのである。

 

この求人の「気になる!」ボタンを押した。この「気になる!」ボタンを押すと、先方企業に当方の簡易プロフィールが送られ、見合いそうであれば「面談に是非きてください!」みたいなメッセージが送られてくるという仕組み。応募するかどうかで迷っているが興味ある、という応募者予備軍に企業側がスカウトをするようなイメージである。

 

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↑こういうやつ。

 

先のツイートで呟いていたところから、スカウトが来たのである。

 

 

よく読んでみると、当該案件は派遣会社の持ってる案件でまずは登録会に参加して登録が必要らしい。そうだな、まずは行ってみよう。

 

私はそのページの指示通り電話をかけ登録会の予約を取った。派遣会社名は「ア◯◯ス株式会社」という会社。聞いたことはないが、中小規模の派遣会社だろう。新年早々、スーツを着込み登録会に赴く。

 

 

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↑こんな感じ

 

 

 

 

 

 このツイートの最後に書いてある、奇策の布石の実験とは。

 

私の職務経歴書、営業の仕事がメインでつらつら書いているのだが、直近の営業職歴(去年)にテレアポでその会社の歴代一位の成績持ってて、そのエビデンスとして給与明細を見せようかと思ったのだ。

 

ゴリゴリの営業してる人間だったら皆、こういう場面で「社内で一番」とかアピールするだろう。私のそういうアピールも、経歴書のための嘘と思われると加点要素にならず、職歴書のパワーがなくなってしまう。それに、社内で一番とかどの会社にもいるし毎月誕生してるし、その会社の社内レベルなんてわかったもんじゃないから、だったら給与明細だったら疑いようないだろうと。

 

 

さて、どうなったか。

 

 

次回様子を細かに書きます。

キャリアほぼなしでの就活・転職活動の肝

履歴書はなんとかできた。見れる程度に(エントリーできるレベルに)、だが。

 

この次に考えたことは以下の2つ。

 

  • 会社勤めで何をやりたいのか(どんな仕事をやりたいのか)
  • そのやりたい仕事をするために今までやってきたことの何が生かせるのか

 

上記2つを言い換えるならば、前者(会社勤めで何をやりたいのか)は志望動機で、後者(今までやってきたことの何が生かせるのか)は自己PRである。

 

この2つは両軸両輪で、具体的な作業としては職探しそのものと言える。

数あまたある募集要項を探すにあたって、この2つを常に念頭に置いてアリかナシかをジャッジしていかなければキリがない。

 

もちろん、仕事内容や雇用形態(正社員なのか契約社員なのか派遣社員なのか)だけでなく、当方40代半ば、年齢制限にひっかかるものは弾かなければいけないし、給料も多少は気になるし、勤務地、休日も気になる。将来に繋がるものかどうか、続けられるかどうか等も考えなければならない(一度勤めたらある程度は勤めないとスキルは身につかない=キャリアが無駄になる)。面白くもあるが、真剣な作業である。

 

20代や30代前半(具体的には目安35歳)と違って、40代には「ポテンシャル採用」などという下駄はない。常に「あんたは何ができるんだ」と訊かれると思った方がいい。なので全く畑が違いすぎる、業務内容が全くイメージできない、という仕事は現実的に無理だ。

 

営業、テレアポ、あとは人のマネジメント、あとは・・・と今までの人生でやってきたこと、仕事のエッセンスを抜き出してノートに書き出し、武器化する作業。

同時に募集要項や求人ページ等を見て、現状の転職市場や職業についての基礎知識を身に付けつつ。そういう作業を地味に手堅くやっていった。

 

 

ちなみに、使ったサイトは広く見るためにはDUDA、エン派遣、はたらこねっとあたりを、条件検索だとindeedをよく使った。特定スキルをもっていれば、特化した求人ポータルみたいなものを使えばよいと思うが、私は残念ながら今の所そういうスキルは持っていない(営業スキルなどは特化はしてるが、持ってる人は当たり前のように多いので今回の求職にあたっては特化したスキルとはみなしてない)。

 

期間にして一ヶ月以上はこれら作業に使っている。気になる案件はブックマークしたり、読み込んで興味をもったものは検索などして深く掘ってみたり。

 

 

「オレは何をやりたいんだろう・・・」

 

 

そういう作業をしながら、尚更そんなことを思ったりした。今さら。

 

でもやりたいことが既にあるんであれば、私は起業するだろう。そうだった、やりたいことがなくなってしまったから会社勤めをするんじゃないか。

実は、やりたいことが特にない、なんてことは今までの人生であまり経験したことがなくて、当惑気味だった。

 

だが、やりたいことが簡単に見つかるわけがない。私の性格・性分なら、見つかるのであればもう見つかってるはずだ。・・・なんだか堂々巡りであるw

 

 

 

どうするか。

 

 

とりあえず前に進まなければならないのは確かだから、いつもとアプローチを変えて「何ができるか」をベースに考えよう。そう発想の転換をしたところで、気になって控えめにブクマしていた(具体的に言うとエン派遣のキニナルを押していた)、とあるサイトからスカウトメールが来た。

 

 

次回につづく。