難破船の甲板でオレは寝言を言う

一回目の人生は強制終了させました。もう40代後半にも入ろうとしてるのに。

セールス、テレアポ、新規開拓の本質その1

今回は今までと違って、日記・体験談風のエントリーではなく、ノウハウ的なものを書いてみようと思う。

 

 

 

私の職務経歴書の中で唯一のキャリアと呼べるものは営業の職歴だけだ。

 

営業といっても色々ある。個人客向け、法人向け、新規開拓、ルートセールス、提案営業、コンサルティング営業、などなど。

 

会社のエンジンの役割を果たす人。売上を上げる人。会社の対外的な折衝役、顔役とも言える。

 

非常に範囲は広いが、私のやってきたことは一つ。個人客向け新規開拓営業である。

その中でもダイレクトセールス、いわゆる訪問販売と、無差別テレアポだ。

 

一般的に職種の中で最も志望者に(お客さんにも、かも笑)嫌がられる営業スタイルである。このもっともキツイと言われる即決型セールスを数年やった。そしていくつかの会社で新人賞なり、トップ賞なり、会社の記録を作った。ただ、私は営業マンとしては一流ではないと思っている。理由はさておき(後述する)、どうだろう、営業なんかできないと思ってる人でも8割ぐらいは方法論とマインドセットさえつかめば、いい線まではイケると思う。そのうちの3割ぐらいはトップクラスになれるだろう。そしてそのノウハウはさほど難易度が高いものではない。

 

やりたがる人は非常に少なく、かつそのスキルを身につけてる人は少ないから、割と簡単にトップクラスになれる。そのスキルのエッセンスを書こうと思う。

 

 

そのスキルを身につけて得られるのは金だ。はっきり言うと、このダイレクトセールスにはキャリアの積み重ねは要らない。売れれば稼げる。売った奴だけが稼げる職種、それがダイレクトセールスであり、そこが唯一の魅力だと思う。たいていの会社の新規開拓営業、特に開拓が難しそうな(売りにくそうな)商材を売って売上を作る会社の歩合設定は高い(固定給が少なければ少ないほど歩合率が高い会社がほとんどだ)。金を短期間で稼ぎたい人に読んでほしい。

 

また、ダイレクトセールスやテレアポじゃない営業をやってる人にとっても、営業の本質やクロージングについてヒントになることが書けるかもしれない。しばらく付き合っていただければと思う。

 

 

 あと言い忘れたがもう一つ、ダイレクトセールスを職業とした時のメリットを伝えておく。関係性を作っていく営業や法人向け営業と違い、即決型のダイレクトセールス(訪販)は覚えるべきことが少なくて済む、これである。

 

もちろん商品知識は大事だが、変な話、商品知識が多少足りない状態でも売上は作れる、売ることは可能だ。商品知識をすべて覚えたとしてもたいして時間がかからない、要は差別化されてないような商品を売ることがほとんどである。例えば、今だと電話回線、ネット回線、投資用マンション、新聞の拡張員、住宅設備関連(リフォームなど)など、本当の意味のオリジナリティに富んだ商材はほとんどない。もしオリジナリティに溢れ、売りやすい商品だったら、わざわざガチ即決型の営業マンは不要なはずだ。売りにくいからこそ営業マンが必要なのである。

 

 

 

 

ちなみにあなたは、凄腕営業マン、トップセールスマンと聞いてどんな人を想像するだろうか?

 

経験のない人、浅い人はすごく口がうまくてバリバリ働く営業マンを想像するかもしれない。

 

実際は全く違う。そういう典型的なイメージの営業マンはトップクラスにはあまりいない。そういうタイプが皆無なわけではないが、むしろ朴訥とした方が売れたりする。えっこの人がトップセールス?みたいなケースもかなり多い。どこの職場、どの商材でも。

 

これは何を意味しているか?

 

口の上手さは売るにあたって一番の要素にはならないということだ。マイナスに働くことさえあるぐらいだ。

 

 

では何が必要なのか。

 

 

実はいくつかあるのだが、こと属人的な要素(性質や能力)で言えば、

 

①「相手(お客さん)の言動や行動の本質を聞き取る、嗅ぎ分ける能力」

に尽きる。

 

 

 

 

売れない営業マンの行動でよくある失敗行動として、「買う見込みのない人に延々トークをしてしまう、粘ってしまう」というのがある。

 

はっきり言って、見込みのない人に粘っても買ってくれることはほぼない。通ってもそれは変わらない。何十回通ってようやく一回お情けで買ってくれるぐらいか。そもそもそれだけ労力をかけて売ることができても、その時点で主導権は営業マンにはない。お客さんが持ってるということになる。そうなればリピートセールスまでほぼ遠いことになる。それはイコール、売上が伸びないということである。

 

 

どの会社でもいきなりトップ営業マンになると、周りの営業マン達から必ずお客さんに「何を話しているのか」という質問を受ける。

 

でも実際はお客さんに何を話すかというのは、それぞれのお客さんによって変わる。これは自分が主導して変えているというよりは、相手の反応を見て変えている、どちらかといえば受動的なものである。

 

実戦的な言い換えをすれば、「万人に通用する必殺トークというものは存在しない」のである。

 

 

次のセールストークの概念図、図1を見てほしい。売るためのトークを概念図化してみた。

 

 

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 解説すると・・・

 

  • 必ず話さなくてはならないこと(ピンクのラインマーカー内)

 具体的には、お客さんが商品を買うと受けられる便益、お客さんの知りたいこと、買うに当たっての不安を解消する材料、契約・保障内容、クーリングオフの有無・やり方

 

  • 話しても話さなくてもどちらでも良いこと(黄色のラインマーカー内)   

 具体的には、商品自体の強みや魅力やUSPやデータ的なもの、商品の活用法、商品の構成要素や成り立ち、営業マン(自分自身)の人となりや経歴など 

 

  • 話してはいけないこと、ムダなトーク

 上記2つの要素以外のすべて。場合によっては黄色ラインマーカー内のトークも含まれる。

 

 

売るためのトークで必要十分なものは、黄色のラインマーカー内だけだ。それ以外はすべてムダなトークにあたる。天気の話など世間話トーク、業界・同業他社の情報、会社の紹介・情報、商品や会社についてのネガティブな情報、これらは全く要らない。

 

 

なかなか売上が上がらない営業マンは、おおよそ話さなくていいこと、いやむしろ話してはいけないことを多く話してるように見受けられる。

 

 

経験者は思い出してほしいところなのだが、売れた時って必要最小限のトークしかしていなかったのではないだろうか。お客さんにうまく引き出されて、必要最小限のトークが魅力的に展開されるように場が盛り上がった覚えはないだろうか。売れる場面とはそういうこと。売上を上げてトップになる人間は、お客さんからのサポートなしに自力でそれらを展開していける人間のことなのである。

 

 

イメージはつかめただろうか。

 

 

まだまだ話は続くのだが少し長くなってしまって読みにくくなってしまうと思うので、回を分けようと思う。